書道筆に関するQ&A

書道筆に関するQ&A

 

書道のお筆に関するよくある質問集です。
こちらのQ&Aは、丹青堂の筆職人へ直接回答いただいたものを掲載しております。
掲載されている質問以外に、気になることがありましたらお気軽にお問い合わせよりご質問ください。

 


動物の毛の生えている部位によって値段が変わるからです。
書筆は、同じ動物の毛を使うとしても、その毛の生える位置によって毛質が変わります。

そのため、「たくさん取れる部位」=コシが強く、硬い書き味の毛は安く、
「希少な部位」=しなやかで墨含みがよく、書きやすい毛は高くなります。

例えば、馬の毛になりますと、「タテガミ」「胴の毛」「脚の毛」「尾」などそれぞれ毛の生えている位置で種類が分けられています。
タテガミや尻尾などのたくさん採れる毛は、毛質が硬く弾力のある書筆となり、おなかの部位に生えているあまり採れない短い毛は、毛質が柔らかくしなやかな書筆となります。

また、鼬(イタチ)などの小動物は、その毛質から非常に書きやすいお筆を作ることができますが、身体が小さい分毛の採れる量も少ないこともあり、高くなることが多いです。
毛を採取する部位・その動物の希少さが、主に値段が変わるポイントとなります。

なお、極端に安いお筆(1,000円以下)の多くは、ポリエステルなどが使用されており動物の毛でないことが多いです。
ポリエステルは、墨を含まないために文字を書いたとき墨が長続きせず、すぐに線が途切れてしまいます。
そのため、お筆は動物の毛を使用したものがよいです。


主な原因は、洗い方です。
しっかりと墨を落とさずに乾燥もおざなりにしてしまうと割れやすくなります。
また、書く際に、筆先を強く紙に押し付けたり墨がかすれているのに、そのまま無理矢理書いたりしても割れやすくなります。

丁寧に管理しているのに割れるという方は、ご使用のお筆の毛質によるものかもしれません。
硬い毛質(馬毛など)のお筆ですと、摩擦率が高く割れやすくなります。

いずれの場合も、買い替える他ありません。


毛が千切れてしまうのは、洗い方と普段の管理が甘くなっている場合が多いです。

【大筆に多い原因】
根元から千切れる場合、根元と筆の軸部分が根腐れを起こしています。
使用後は、しっかりと軸の中まで洗い流し、風通しの良い場所または筆入れで乾燥させてください。

【小筆に多い原因】
根元まで筆の糊を落としていない場合、その糊と墨がたまる境目で固まってしまっているからです。
墨には、膠(ニカワ)という糊が含まれているため、洗い方が甘いと残った膠が固まります。
使用後は、丁寧にふき取って少しずつ筆を下ろしていくと、千切れることがありません。


摩擦により削れていった毛や、抜けかけている毛が飛び出ることがありますが、書くのに支障が出ない根元近くで切っていただくか、書道店へお持ちいただくのが確実です。

あまり推奨できませんが、その毛のみ抜くことで解決します。
ただし、抜くことによって束ねている筆の毛先がばらつき、より抜けやすくなる場合がありますので、ご注意ください。


筆のキャップは、店頭での保護に使われているだけのものですので、ご使用時に捨ててください。
そのまま使用しますと、十分に乾燥ができずそこから根腐れしてしまう場合があります。


書筆のお手入れは、下記の手順が一般的です。

①しっかりと水で墨を落とし
②毛に沿って丁寧にふき取り
③風通しの良いところで乾燥させる

このどれかをおざなりにしてしまいますと、劣化の原因となり長持ちさせることができません。

※よく流水でお筆を洗うという方法が紹介されていますが、基本的に筆を長持ちさせるにはおすすめいたしません。
流水によってバランスよく配置された毛がバラつき、墨含みにや書き味に影響が出やすくなるためです。
長持ちさせたいのであれば、深めのお皿などに水を入れてから、手でやさしく揉み洗いすることが大切です。


動物の毛を使用しているお筆ですが、シャンプーは使用してはいけません。

それは、書筆ができるまでの工程に理由があります。
お筆を作る段階で、「毛揉み」という工程があります。
もみがらを焼いた灰をかけて熱を加え、鹿皮で毛を巻いてよくもみ、脂分をとってくせを直す工程なのですが、この「脂分」がポイントとなっています。

動物の毛には「脂分」が多く含まれており、その「脂分」の量が書きやすさにつながってきます。
多くても少なくても良くなく、「毛揉み」の工程では、その「脂分」を書きやすい量に調整しているのです。
シャンプーは、その成分により毛がコーティングされます。
また、「脂分」が必要以上に落ちすぎてしまうため、墨含みが悪くなります。

※他の絵筆などですと、洋画などの絵具を落とすのに必要な場合がありますが、書道で使用されている墨はそれほど糊が強いわけではないので、水だけで十分です。

お筆用シャンプーも一般的に販売しておりますが、こちらは初心者の方で「洗う時間が面倒」「数か月しか書道をしない」という方にはピッタリの商品です。
しかし、それ以外の「これから書道を長く続けていきたい」「筆を長持ちさせたい」という方は、シャンプーを使用しない方が吉です。

 

 

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