修復について
貴重な文化財等は、破損や虫損(虫食い)・シミ・カビなどによる劣化・損傷、火災・水害等により閲覧や保管が困難になる場合があります。修復とは、これらの文化財等の劣化を食い止め・閲覧が可能な状態に復元することをいいます。
大切な家系図や過去帳、ご親族が書かれた書画作品等につきましても、”かけがえのない大切な記録・思い出を残す”という観点から、文化財と同様に修復を承ります。
まずはお気軽にご相談ください。精一杯、努めさせていただきます。
サービス内容(修復・レプリカ製作)
掛軸・屏風・衝立・巻子本・古地図・絵図・古書(和本・洋本)・書簡・家系図・過去帳・ポスター・チラシなどの修復を承ります。また、レプリカの製作も承ります。
修復の対象
状態にもよりますが、次のようなものの修復が可能です。
修復の事例
古書
修復前 修復後
仕上がり寸法(製本寸法) | 横18cm×縦27cm |
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数量 | 80丁 |
修復前の状態 | 本紙全体が虫食いによる多大な被害を受け、大きく欠損していました。 細片化がひどく、本を開くのが大変困難な状態でした。 |
修復方法 | 元の質感や風合いを生かすため、漉きはめによる修復を行いました。 |
掛け軸
修復前 修復後
仕上がり寸法(製本寸法) | 長さ140cm×幅60cm |
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修復前の状態 | 掛軸本紙全体に、虫食いによる欠損が多数ありました。 |
修復方法 | 掛軸本紙に、漉きはめによる修復を行いました。表装を新調しました。 |
屏風
修復前 修復後
仕上がり寸法(製本寸法) | 六曲屏風 高さ165cm×幅360cm 1面(扇)幅60cm |
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修復前の状態 | 屏風本紙が大変劣化して脆くなっており、全体にわたって虫食いによる被害がありました。 |
修復方法 | 漉きはめによる修復を行いました。 元の骨組みを利用して、棹を新調して仕立て直しました。 画像の色味が違うのは、撮影時の環境によるものです。 |
修復の特色
稀少な資料・家系図等を修復するために、漉きはめに代表される次のような技法を使用します。
漉き填め
漉きはめとは、紙漉きにある流し漉きの技法を取り入れた修復技法で、修復の対象となる資料に、資料と同質の紙原料液を流し込み、虫食いや破れなどの欠損した部分にのみ新しく同質の紙を形成して修復する技法です。
漉きはめには、従来の修復方法にはないいくつかの特長があります。
漉き填めの溶液(紙原料液)
漉きはめに使う溶液(紙原料液)は、国産の高品質の楮(こうぞ)・雁皮(がんぴ)等の原料から生産します。
これにより、資料に合わせた細かい調合ができ、自然な風合いの修復が可能です。また、一般的な和紙だけでなく、パルプや竹素材などあらゆる紙質の資料にも対応できます。
色止め(インク・スタンプ等のにじみ止め)
インク・スタンプ等はにじむ危険性が非常に高く、裏打ちや修復作業が困難でしたが、独自の処理を施すことによって、その危険性をなくすことが可能になりました。
脱酸処理
酸性化によって崩壊が進み、放置したために消滅してしまうケースも珍しくありません。
しかし、脱酸処理を行うことで寿命をより長期に延ばすことが可能です。
処理を行う前に十分に調査したうえで、インク等のにじみの危険性があるものにはにじみ止めの処理を施します。
事前調査・処理が済んだのち、資料1枚ごとに脱酸処理溶液を浸透させ脱酸します。
価格
修復に必要な価格は、作品の状態やサイズ・修復処理の内容等によって大きく異なりますので、見積り時にご案内させていただきます。
プライバシーについて
見積り・修復処理の受注にあたり取得したお客さまの個人情報や作品に関する情報は、厳重に管理いたします。
受注について
次の条件を満たす場合に、修復を承ります。
直接お持ちいただける、または弊社に送付でき、送料をご負担いただける方見積りの結果、修復が可能であること
電話やメール等のやり取り中心となります為、見積もりから修復開始まで日数が必要となります。
余裕を持ってご依頼くださいませ。
お問い合わせ方法
お問い合わせフォームへ以下の内容を記載の上ご連絡ください。
ご依頼内容について
・何を修復・レプリカ作成したいのか
・修復したい実物の写真(現段階で撮れる範囲でかまいません。)
・仕上がりの納品希望日程
エラー: コンタクトフォームが見つかりません。